こんにちは♪
早速ですが、次の文章を一度読んでみてください。
「こどもは まいにち がっこうへ かよっています」
少し文字の間隔が違っていても、私たちは自然に文章の意味を理解することができます。
また、文字の一部が隠れていても、何が書いてあるのか分かることがあります。
これは、目で見た情報をそのまま受け取っているのではなく、脳がこれまでの経験や知識を使いながら、「きっとこういう意味だろう」と予測し、補いながら理解しているためです。
私たちは普段、「目で見ている」と思っています。
しかし実際には、目は情報を取り入れる入り口であり、その情報を整理し、意味をつけているのは脳です。
私たちは「脳が作った世界」を見ている
ともいえます。
目から入った情報は、脳へ送られます。
そこで、
という判断が行われ、初めて私たちは「見えた」と感じます。
つまり、私たちが見ている世界は、カメラのようにそのまま記録された映像ではありません。
脳が、目から入った情報と、これまでの経験や知識を組み合わせながら作り上げているものなのです。
~脳の「予測する力」~
例えば、少し隠れている物を見ても、「これはイスだ」「これは車だ」と分かることがあります。
実際には見えていない部分があっても、脳は過去の経験から情報を補い、全体を理解します。
このような働きには、大きく分けて2つの情報処理が関係しています。
○ボトムアップ処理
目から入った情報をもとに理解する働きです。
色、形、大きさ、動きなど、実際に得られた情報を集めながら判断します。
○トップダウン処理
これまでの経験や知識をもとに理解する働きです。
「以前見たことがある」
「この状況ならこうだろう」
という予測を使って、情報を理解します。
私たちは毎日の生活の中で、この2つの働きを組み合わせながら物を見ています。
~錯視から分かる、脳のすごさ~
錯視(さくし)をご存じでしょうか。
同じ長さの線なのに長さが違って見えたり、止まっている絵が動いているように感じたりする現象です。
これは、目が間違っているわけではありません。
脳が周囲の情報や過去の経験をもとに、「こう見えるはず」と判断しているために起こります。
つまり、私たちは「見たもの」をそのまま受け取っているのではなく、脳によって解釈された世界を見ているのです。
子どもの「見るのが苦手」は、努力不足とは限りません
子どもの様子で、
といったことがあります。
このような時、「もっと集中して見よう」「注意して見よう」と声をかけることもあります。
しかし、実際には、
など、脳で行われている視覚情報処理が関係している場合があります。
ビジョントレーニングで大切にしていること
ビジョントレーニングは、単に「視力を良くする」ためのものではありません。
目から入った情報を、
見る
↓
理解する
↓
判断する
↓
動く
という一連の流れにつなげる力を育てていきます。
目と脳は、常に協力しながら働いています。
だからこそ、「見えているか」だけではなく、
「どのように情報を受け取っているか」
「どの部分で理解に時間がかかっているか」
という視点が大切になります。
一人ひとり違う“見え方”を大切に
同じものを見ても、注目する場所や理解する速さは人によって違います。
大切なのは、「できない」と決めつけることではなく、
「どの情報を受け取りやすいのかな?」
「どんな方法なら理解しやすいのかな?」
と、その子に合った方法を探すことです。
さらには、どんな状況に左右されるのかも欠かせません。
どんな時にミスが多いのか?
逆に、少ないのか?
例えば、焦っている時には間違いを繰り返すけれど、
自宅でじっくり取り組む時には、正確に出来る時もある…
といったように、一人ひとりの“見る力”の特徴や癖を知ることが、その子の持つ力を伸ばす第一歩になります。
もちろん、今回話題の中心になった内容だけでなく、
最後に少し触れたように、心理的な部分も成長過程では
大きく関わってくるため、簡単に見抜くことは難しい場合もありますが
新たな視点、そして様々な視点から捉えていただけると
何か糸口になるかもしれません。
それでは、また次回^^