こんにちは!
ビジョントレーナー外山です。
今回は、脳についてのお話。
過去にも脳幹についての
お話はしてきましたが、
今回は、お子さんはもちろん
ご自身で考えても面白い
”今の行動、どこの反応が
優位になっている?”
ということをお伝えします。
脳幹の反応=原始反射
(自分の意思とは関係なく
体が反射的に動くこと)
ここに関しではビジョントレーニングでも
中心となる働きかけなので
すでにご存知の方も多いかと思います。
この、脳幹の反応というのは
古く(我々が原始人だった時)から
生き抜くために必要な脳の働き。
その日1日を生き抜くためには
他の生き物と戦い、
食うか・食われるかの世界でした。
そのために、脳幹の反応
いわゆる
”戦うか(闘争)”
“逃げるか(逃走)”
最悪、”かたまる(フリーズまたは
死んだふり)”
これは本能の座(爬虫類の脳/脳幹)
の働き
この反射的な動きが
我々の祖先の命を守ってきました。
その働きが、現代はとても安全になり
そこまで必要ではなくなり、
どちらかというと、より
”人間らしい”(大脳新皮質)振る舞い
1番新しく多いかぶさるように
出来ている脳の働きが求められるように
なりました。
といっても、
脳幹の働きは時として必要で
赤ちゃんならば、
自分の意思通りにまだ動けない
それでもこの世で身を守らなければ…
という時がありますから
原始反射によって、身を守る。
大人である私たちも、
咄嗟に身を守る時(熱湯がかかったり
突然何かにぶつかりそうになるなど)や、
脈が乱れるような出来事が起こる時は
(何かを理由に、誰かに攻撃的に
なったり、反射的に自分を
守らなくては!という状況)
脳幹の反応が優位になって
自分の身を守ろうとすることが
あります。
(これをトカゲ脳と呼ぶ場合も
あるようです)
少し話が膨らみすぎましたが、
戦うか・逃げるか・かたまるか
この状態の時は
脳幹の反応が優位になっています。
そして、
感情の座(好きなものは好き!
嫌いなものは嫌い!)が
脳幹の次に現れる反応です。
お子さんの成長を見ると
この順序を辿っていることが
ほとんどだと思います。
やりたいことは没頭
やりたくないことには
一切興味を示さない
といった状態は、
感情の座(哺乳類の脳/大脳辺縁系)
が育っている、または
優位になっている状態です。
そこから、最後は
「もっと知りたい・学びたい」
といった現代特有の
より人間らしい、社会的な振る舞いを
していく段階に入ります。
知性の座(霊長類の脳/大脳新皮質)
の働きです。
小学生あたりになると
一般的には”知性の座”が育ち始めてくる
と言われていますが、
原始反射の残存が強いと
脳幹の反応が優位になるので
なかなか思い通りに動くことや
意思通りにコントロールすることが
難しくなりますので
一律ここへの刺激は大切にしています。
ただ、この原始反射は私も消失と
言い表しますが、
消えてなくなってしまう
どこかへ行ってしまうという事ではなく
冒頭でもお伝えしたように
大人になっても必要な時には
私たちの命を守るために
働いてくれます。
ですので、消失=統合
といった表現の方が正しいのかと
思います。
脳幹への刺激を十分に与えることで
その上に積み重なる部分が自然と
育ちやすくなります。
そのことによって、
必要な時は自分の意思である程度
コントロール(制御)ができるようになる
といったイメージです。
それぞれ、置かれている状況に
よって、優位に出てくる部分が
変わったりもします。
今、お子さんやご自身は
本能の座(闘争か逃走かフリーズ)
感情の座(好き嫌い)
知性の座(もっと学びたい)
どの反応が強く見られるでしょうか?
このような視点で見てみると
「なんで感情的なんだ?」と
理解できない行動や、言動の理由が
少し客観的に見えてくるかもしれません。
かなり複雑な話になってしまいましたが
やはり、私自身、脳と人間の行動について
学んでいく中で
いかに脳の指令に自分自身が
コントロールされているのか
ということを痛感します。
ぜひ、こういった知識も皆さんに
共有することで
お子さんの行動の背景や
様々な人間関係にもお役立ていただけると
嬉しいなと思っています。
毎回のレッスンでも
行っていますが、そして
「もう分かったよ」という声が
聞こえてきそうなくらい
お伝えしている内容でありますが
日常的に取り入れられることとして
成長過程のお子さんで
あれば、脳幹への刺激は最優先と
なりますので、日常的に
爬虫類の動き(とかげ歩き)や
その他動物歩き(クマ歩きなど)
または、体を大きく逸らせたり
逆に小さく縮めたり
といった、とにかく
ダイナミックな体の動きを
遊びを通してでもちろん良いので
意識的に取り入れてみてください。
それではまた次回。